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意外な「貯金」「借金」があるかも? 親の生活費と年金を確認しよう

  • 執筆者の写真: 麻希 大井
    麻希 大井
  • 2020年1月29日
  • 読了時間: 8分

更新日:2月13日

意外な「貯金」「借金」があるかも? 親の生活費と年金を確認しよう

親御さんが定年退職したら、たとえお元気でも、親御さんのお金のことに、ぜひ関心を持ってください。

仕事をしていない方なら、年金で暮らしていると思いますが、今の年金での暮らしで、やっていけているでしょうか? 


「親の資産全体を調べよう」などとよく言いますが、その前に、日々の暮らしがつつがなくできているかどうか、確認することが大切です。

 

<目次>

 

親が生活できなくなったら、その費用は子どもが負担?!


民法では、配偶者や親子、兄弟姉妹間の扶養が義務づけられています。

扶養とは、高齢や、心身の障害、病気などで自分で働けず資産もない場合に、その生活を他者が援助すること。

つまり、子供には親の生活を援助する義務があるとされています。


ですから、親の年金額は他人事ではなく、自分の問題でもあります。

一口に「年金」といっても、その額は人によってかなり違います。

それは、現役で働く子ども世代もそろそろ切実にわかってきていると思います。ご自分の年金だって気になる年頃ですよね。

では、翻ってみなさんの親御さんの年金はどうでしょうか。


親御さんがかつて会社員で、それなりのお給料をもらっていた、福利厚生が充実していた会社で企業年金がある、という場合には、老齢基礎年金+老齢厚生年金+企業年金と三階建てになっていて、充実した金額を受け取っているケースは多いです。

公務員の場合も、さまざまな福利厚生により、老後は比較的安心と言われます。


しかし、企業年金を受け取れない会社員もいます。

あるいは、会社員の期間と非常勤職員の期間が混じっている場合には、非常勤職員時代には厚生年金はかけておらず、老齢基礎年金部分しかない、ということも考えられます。


配偶者が専業主婦、あるいは扶養の範囲内で働いていたような場合なら、妻は老齢基礎年金がもらえます。

ふたりとも会社員や公務員として長らく働いていたなら、ふたりとも老齢基礎年金+老齢厚生年金がもらえていて、豊かに暮らしているといえるでしょう。


現役の仕事をリタイアしていても、家賃収入など、収入のある方もいますし、生命保険会社の個人年金をかけていて、60歳から個人年金をもらっている、というようなことなら、かなり安心です。


しかし、夫婦のどちらかが自営業だったり、配偶者は国民年金を払ってこなかった、という場合だと、7万円以下の年金で二人暮らしということになります。

これだと、多くの場合は赤字になってしまいます。 

親が会社員や公務員の場合は配偶者と合算をする


赤字だったらどうしているのか、貯金を切り崩していないか。

知っておかないと、いざ親御さんが弱って、金銭管理を子ども世代がすることになったときに、「何これ!? こんなに少ししか預金がないの?」と驚くことになりますし、「借金がある!」と青くなるかもしれません。

生活費の支出が、年金などの収入の中で収まっているかどうかを知って、なんらかの対策をしておかないと、子ども世代の生活も危うくなってしまいます。


親御さんにお金のことを聞くのはとても難しいです。

「今、いくらお金があるの? ちゃんと貯めてるの?」などとストレートに聞こうものなら、いやな顔をして心を閉ざす親御さんは多いでしょう。

自分たちの仕事人生を否定されたような気になるでしょうし、「財産を狙っている」という見方をして、かたくなに言わないと決める人もいるでしょう。


どういう持ちかけ方をするかは難しいですが、ここは自分の年金を持ち出すのが無難かもしれません。


「自分たちの世代の年金は、本当に恵まれていない。75歳まで受け取らないなんてことはできないし、65歳で受け取るとすると●●円くらいなんだよ。妻も働いているからなんとかなるものの、妻のほうもあんまり多くないしさ。父さんや母さんの世代はいいよね。今、ふたりでどれくらい受け取れているの? 2人合わせて20万円くらい?」


はっきり言わなくても、

「そんなに少なくないよ」

「それくらいだな」

「うーん、そんなにないなぁ」

こんな答えだったとしても、目安になります。


親御さんが不機嫌になりそうなら、この程度のあいまいさのまましばらく放っておいてよいのではないでしょうか? 

お金の話は、一度険悪になると、二度としてくれなくなるのが常です。機嫌が悪くなければ、


「年金だけで生活費、足りてる? 生命保険会社の個人年金とかもあるんだっけ? アパートの収入もあるんだよね?」

というような聞き方をしてもいいかもしれません。

 

もし、生活費について安心できる状況なら、


「父さんはすごいね、ちゃんと老後のお金の工面ができてる。こんな立派な高齢者はそうそういないよ」


などと、感心しながら言うのもいいかもしれません。親御さんが一生懸命に働いてお金を残してきたことを、心底たたえましょう。

「心底」、というところがポイントです。 

それは、親御さんの人生そのものを肯定し、尊敬している子どもの姿を見せることだからです。

親御さんも誇らしい気持ちになり、子ども世代にぐっと親近感をわかせてくれることでしょう。




自営業なら年金額は6万5000円程度が一般的


もし、ずっと自営業だった親御さんなら、

「自営業だと、受け取れる年金が老齢基礎年金分だけしかないから、生活大丈夫? 母さんも年金かけてたんだっけ?」


くらいは「心底心配して」聞いてください。 

老齢基礎年金分は、ある程度固定された金額なので、一人分か二人分かで、6万5000円、13万円、というように、金額がある程度想像できます。

貯金を切り崩していたら要注意


公的年金、生命保険会社の個人年金やその他の収入を合算した金額で生活できていれば、まあまあ安心して、「親のお金の第一関門」は通過です。

でも、足りていない場合は、どうやって生活しているのか聞いてみてください。


多くの場合はこれまで貯めた預金を切り崩していると思います。

その預金に対してどれくらい切り崩しているのかは、知っておきたいもの。

というのも、親御さんが80歳だとすると、本人は 

「あと少し切り崩せば大丈夫。日本の平均寿命にもう近づいているし、先は短いだろうから」 

と想像しているでしょう。

ですが、実はそうでない場合が多いからです。


日本人の平均寿命は、男性81.25歳、女性87.32歳。

しかし、この平均寿命とは0歳で生まれた人の平均余命(このあと平均して何年生きるか)です。


平均余命は様々な計算式を組み合わせ算出された数字で、その時の年齢により、結果が異なります。

たとえば、現在80歳の方の平均余命は男性9.06年、女性は11.91年です。

つまり、現在すでに80歳になっている男性は、平均して89.06 歳まで生き、女性は91.91歳まで生きるということ。(*) 

平均寿命より、かなり長いですよね。


80歳まで生きた人は、平均的な日本人の中でもお元気な人たちです。

また高齢になると、業務上の災害や、危険を伴うスポーツやレジャーの機会が減り、特に男性はそれらの要因で命を失うリスクがなくなります。

高齢になってからの余命は、それ以前と比較して男女の差が小さくなり、どんどん長くなっていくのです。


(*)平成30年、厚生労働省資料より




貯金を切り崩しているなら、「心から心配」して不安に寄り添う


普段の生活でも心配がありますが、介護が必要になり、介護保険サービスを使うとなると、生活費にプラスしてお金が必要です。


訪問介護やデイサービスを使うには、少なくとも、実際に必要なお金の1割は支払う必要があります。

それだけではありません。デイサービスに1日行くと、お昼代やおやつ代が必要です。これが700円、800円とかかってきます。


家にいれば、家の冷蔵庫にあるものを食べていればすみますが、デイサービスに行くたびに800円がかかるとすれば、週2回なら月6400円。

このほかに毎日のように短時間でも訪問介護を入れれば、これまでより2万円程度お金がかかるのは普通です。


でも、もし、貯金を切り崩していて、今ほとんどお金がない、このまま行けば大変なことになる! という場合でも、親御さんを叱るようなことは絶対にしないでください。

実は、親御さん自身も、貯金を切り崩しながら不安を感じているかもしれません。

現役時代、頑張って働いてきたけれど、子ども世代を育てていくために、生活がいっぱいいっぱいだった。

毎月の年金を支払うのも大変だったのかもしれません。

子ども世代は、何も知らず親のお金で暮らしてきたのです。


もし、親御さんの資産が少なくても、危うくても、育ててくれたことに感謝しながら、「心底、今後が心配だから、一緒に考えよう」という気持ちで親御さんと接してください。

その子世代の優しさが、親御さんの心を溶かし、よい方向に導けることを期待しましょう。

   母親・父親の介護予防にプレゼントやメッセージを


親が長く元気に暮らせて健康寿命が延びると、家族が介護をする期間も減ります。

そのためには、楽しみや張り合いのある生活が重要です。


親にとって、子供や孫とのコミュニケーションは大きな楽しみ。

単調になりがちな日々の刺激にもなります。

誕生日や、母の日・父の日にプレゼントを贈ったり、日頃の感謝をまめに言葉にして伝えることは、介護予防の観点からもおすすめです。


Oyaimaでは、年配の方向けのプレゼントの選び方やおすすめ商品をご紹介しています。

親や祖父母を気遣うあなたのその気持ちを、ぜひ、ギフトという形で届けてみませんか。



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