
親も年齢を重ねると、だんだんひとり暮らしや夫婦ふたり暮らしが難しくなってきます。
そのとき、家族でどう対応するかは、なかなか難しく、結論を出しにくいでしょう。
けれど、避けては通れない問題です。
周囲のサポートを受けながら実家での暮らしを続けるか、家族と同居するか、高齢者向けの住宅に引っ越すか、介護施設で暮らすか…
家の古さ、親の資産や健康、子ども世代のキャパシティなどを兼ね合わせて、少しずつ親や家族・夫婦の間で相談していきましょう。
<目次>
実家でひとり暮らし・ふたり暮らしを続ける ~ 子どもや在宅介護サービスのサポートが必要
親が要介護状態ではなく、身の回りのことや家事がなんとか自分でできて、暮らしていくお金もあるのなら、これまでの暮らしを継続できるのがいいですね。
人によっては、見守りがあり安心できる高齢者マンションに早めに移り住むこともありますが、自分でできるうちはなるべく調理も掃除も自分でやらなくてはならない自宅の方がおすすめです。
自宅にいると、ご近所づきあいや日常の買い物、郵便や宅配便の受け取りなど、誰かと接する機会があります。
小さな課題を、日々身体を使い頭を使い、社会と関わりながら解決して生きていくことになります。
こうした、少し面倒な暮らしの中の課題を解決することは、身体的にも心理的にも高齢の方をいきいきとさせ、脳の活性化にも大きく役立ちます。
ただ、年を追うごとに歩行が悪くなったり、心臓や血管の病気で疲れやすかったり、万全というわけにいかなくなるでしょう。
そのときには、子ども世代やご近所の方々、民間の掃除や調理サービスなどで支えましょう。
そして、介護保険の認定が下りたら、介護保険サービスを利用することにしましょう。
家が古いと段差や階段、お風呂など、高齢者にとって使いにくい部分も出てきます。
でも介護保険を使えば、少額の自己負担で介護用の住宅リフォームをすることも可能です。
また、今後家という資産をどうするかは、相続にも関係し、兄弟姉妹がいれば、みんなで考えなければいけない問題です。
建て替えて子どもが一緒に住むのか、介護施設に入る頃までとことん使うのか。
資産状況も含めて、親御さん中心に、みんなで決めて行きましょう。
とはいえ、切羽詰まっていないなら、早急に決断するのではなく、少しずつ親御さんと相談しながら暮らしを変えていけばよいでしょう。
結論を急ぐといいことがありません。
親御さんにとっては、長く住み慣れた場を失うのはとてもつらいこと。
じっくり考えてもらうことが大切です。
子ども世代と同居する ~ 特定の人だけに負担がかからないように
高齢になり、今後が不安になってきたことを機に、子ども世代と同居をするケースは多いでしょう。
生活習慣の違う世帯同士が一緒になる同居はただでさえ難しいものです。そこに見守りや介護という負担が伴うと、当初はかなりぎくしゃくします。
無理に同居を考えず、できるところまで親だけで暮らしてもらうほうが、親世代もかえってラクな場合もあります。
さまざまなサービスを使い、介護の専門職にも相談しながら、考えていきましょう。
もともと子ども世代と同居しているなら、可能な範囲でそのまま同居生活を続けられるとよいでしょう。
だんだん生活が難しくなってくるのは、身近で同居している子ども世代が一番よくわかるはず。
認知症のきざしがある、歩行が難しい、大きな病気にかかっている。
それをフォローするのに大きなパワーがかかるとなれば、介護保険サービスを利用できないか、専門家のアドバイスが必要かなど、兄弟姉妹がいれば全員で考えていきましょう。
親の住まいに特定の子どもが住んでいる場合は、「どうせ家をもらうんだから」とほかの兄弟姉妹がまったく協力的でない場合があります。
しかし、現在の相続では、親の介護をしていてもしていなくても、相続の配分は変わりません(多少の考慮あり)。
親は子どもが全員でみるのが当然のことです。
同居している人やその伴侶が疲弊するのは目に見えていますから、兄弟姉妹が協力し、オープンに話し合っていきましょう。
高齢者専用の住まいで暮らす ~ どんなサービスがあるのかよく確認する
軽度だけれど要支援や要介護になった、自宅で一人で暮らすのは心細い、体調をこわしたときが心配などの観点で、早めに高齢者専用の住宅に移り住む方々もいます。
サービス付き高齢者向け住宅や、高齢者向けの分譲マンション、有料老人ホームなどです。
一定のサポートがあり、安心感もあるので、子ども世代や親せきが遠く離れて暮らしている場合などは頼れる選択肢の一つになります。
ただ、民間が運営するものは、価格帯も幅広く、サービスの種類も、質も様々です。
入居するときに高額な入居金が必要な豪華なシニア分譲マンションから、アットホームで比較的低価格な住宅型老人ホーム、介護サービスの充実した介護型有料老人ホームまで、さまざまあります。
いくらかかるか、どんなサービスがついているのか、だけでなく、将来本格的に介護が必要になったらどうなるか、も気を付けて選びたいもの。
なかには介護のサービスが受けにくいところもありますから、「こんなはずではなかった」とならないようにしたいですね。
また、利用料金にはかなり幅があるので、資産をしっかりチェックしましょう。
費用が払えずに途中で退去するようなことにならないよう、元気で長生きされることも考え、100歳までの時間を考えて計算するといいと言われます。
老人ホームや高齢者向け住宅探しは、しっかり時間をかけて情報収集されることを強くおすすめします。
老人ホーム探しは、多くの方にとって人生で初めての体験です。
介護や福祉の専門用語も多く、介護保険制度ともからんでくるので、おそらく想像されるよりも複雑で大変です。
そのため、いざ必要になってからバタバタ探すと、情報不足の中で急いで判断してしまい、失敗してしまうことも少なくありません。
時間や気持ちに余裕のあるうちから、地域にどんな施設があるのかや費用の相場観をつかみ、実際に老人ホームを複数見学しておけば、選択眼も肥えて、失敗する確率もぐんと下がります。
老人ホームや高齢者向け住宅は、親にとって毎日を過ごし最後の住まいになる可能性が高い場所。費用も高額です。
老人ホーム検索サイトで、全国の老人ホームの情報や金額が簡単に調べられるので、早めに情報収集をしておきましょう。
みんなの介護 (株式会社クーリエ)
初めて介護施設を検討する方におすすめ 老人ホーム検索サイト

テレビCMでおなじみ、日本全国の老人ホームを掲載している検索サイト。
2024年5月時点で掲載施設数は58,000件と業界No.1。
2011年以来15年近くの運営実績があり、200万件以上の入居相談を行っています。
サイト上では、もちろん費用は一切発生せず、希望に合った施設を探すことができます。
「老人ホームの費用」や「地域ごとの金額相場」、「ホームの選び方」など役立つコンテンツが豊富。

サイトで情報を収集するだけでなく、情報を1冊にまとめた「老人ホームの選び方入門ガイド」が無料でもらえます。
メールか郵送か、好きな方法で送ってもらえるので、ご家族に見せて説明するときも便利ですね。
各老人ホームの紹介では「360度 VR施設見学」があり、施設内を歩いて見学しているように設備や雰囲気を動画で確認。
実際に施設を見学した方の★評価や、クチコミも参考になるはず。
初めて介護施設を検討しよう、という方におすすめのわかりやすいサイトです。
認知症型グループホーム、特別養護老人ホームなどの介護施設に入居する ~ 要介護状態によって入居が可能になる
認知症が重くなったり、介護の度合いが進むなどして、家族や介護サービスだけで対応できなくなった場合は、専門の介護施設への入居も選択肢となります。
自宅でできるだけ過ごしてほしいけれど、家族も本人も疲弊してしまうなら、専門の介護施設でプロのケアを受ける。
その方が、親にとっても家族にとってもよい、という場合が多々あります。
認知症の方であれば、他にも認知症の方々が集まり、介護職のサポートを受けながら生活する、認知症型グループホームへの入居があります。
24時間の見守りがあり、食事や入浴の提供や介助、排泄介助もあり、脳を活性化するようなプログラムも考えられているところが多いので、家族としては安心です。
多くのグループホームは入居金が数十万円、月の利用料金が20万円弱というのが一般的です。
オムツ代などを含めると、年間250万程度かかるので、年金に余裕があるかどうかもよく考えて入居を決めましょう。
「入居待ちの人数が多い」ことで知られる特別養護老人ホームは、終の棲家とも言われる入居施設で、一般的に80代、90代の入居者が多いでしょう。
要介護認定で3以上でないと入居できないケースがほとんどなので、入居後は静かに暮らすことになります。
こちらも24時間の見守りがあり、食事や入浴の提供や介助、排泄介助もあります。
専門の介護スタッフも多く、比較的規模の大きい施設が多めです。
老人保健施設や病院で過ごす ~ 医療面が充実
老人保健施設や病院は、暮らす場所というより、一定の病気がある状態で入院して過ごす場所です。
基本的に医療機関なので、個人のスペースはベッドまわりだけ。
あくまでも病気やケガの回復・療養の場と考えましょう。
専門の医療・介護スタッフに囲まれて過ごすので、医療面での不安がある方には安心できる場です。
看護・介護といったケアはもとより、病気の内容のよってリハビリテーション、栄養管理・食事・入浴などの日常サービスも受けられます。
ひとくちに「住まい」といってもいろいろな場があります。
決めたときは最適な場でも、病気やケガの進行や年齢の積み重ねにより、だんだんふさわしくない場になってくることもあります。
高齢の方は一般に、新しい環境に慣れるのが苦手です。
何度も引っ越しを余儀なくされるようなことはできるだけ避けながらも、今の状態に一番ふさわしい場をみつける。
とても難しいですが、いろいろな情報や知恵を借りながら、親御さんが少しでも過ごしやすい場をそのときそのときで見つけていきたいですね。
母親・父親の介護予防にプレゼントやメッセージを
親が長く元気に暮らせて健康寿命が延びると、家族が介護をする期間も減ります。
そのためには、楽しみや張り合いのある生活が重要です。
親にとって、子供や孫とのコミュニケーションは大きな楽しみ。
単調になりがちな日々の刺激にもなります。
誕生日や、母の日・父の日にプレゼントを贈ったり、日頃の感謝をまめに言葉にして伝えることは、介護予防の観点からもおすすめです。
Oyaimaでは、年配の方向けのプレゼントの選び方やおすすめ商品をご紹介しています。
親や祖父母を気遣うあなたのその気持ちを、ぜひ、ギフトという形で届けてみませんか。