top of page

いざという時に慌てないために「介護保険」の基礎知識を知っておこう


いざという時に慌てないために「介護保険」の基礎知識を知っておこう

親に介護が必要になったら、家族だけでなんとかしようなどと思わず、介護保険制度を使い、プロの手を借りることが重要です。

…といっても、初めてだと介護保険制度がどんなものか、どう活用したらいいのかわかりませんよね。

そこで、介護保険サービスが誕生した背景、利用を始めるための手順や、使えるサービスなどについて基礎的な情報をお伝えします。

 

<目次>

・利用者と家族が選べる介護サービス

・介護保険、まず「要介護認定」の申請を

・介護計画(ケアプラン)を作る

・介護保険利用時の自己負担金は1~3割

・契約の前にまずは施設の見学を

・介護が気になったら活用したいサービス

 

利用者やその家族が自分たちで選んで使える介護サービス


西暦2000年よりも前は、介護が必要になると、自治体がその人にふさわしい介護のサービスを選定していました(措置(そち)制度)。

それが2000年から、介護保険制度が施行され、ガラリと一変しました。


利用者自らがまず介護サービスを受けるかどうかを決め、サービスの種類や事業者も自分で決めます。

その介護サービスも単なる身の回りの世話、たとえば食事を作ってあげる、掃除をしてあげるというのではなく、高齢者が自立した生活を送れるように支援するサービスです。

利用者本位、つまり利用者の立場・視点に立って、医療や福祉のサービスを総合的に提供するというのが理念です。


利用者本位ですからすべて税金でまかなうのではなく、社会保険方式をとり、自らも介護保険料を支払います。

子ども世代は「ふーん」と他人事かもしれませんが、40歳を過ぎたら65歳までは医療保険の一部として介護保険料を支払い、以後も終身払い続けることになります。

意識していないかもしれませんが、40歳以上なら、もう介護保険料を支払っているのです。




介護保険を利用するときは、まず「要介護認定」の申請をする


65歳以上の年齢になって、いざ介護保険サービスを使いたい、使わないと生活が回らないとなれば、自分で、家族で、あるいは地域包括支援センターやもよりのケアマネージャーさんなどに手伝ってもらって、要介護認定を申請します。

その結果、介護が必要だと認定されたら、介護保険サービスを受けることができます。

なお40歳から65歳までの場合は条件があり、定められた16の特定疾病による要介護・要支援状態になった場合にのみ、使えることになります。


認定は以下の図のように、7段階に分かれています。

聞いたことがあると思いますが、「要介護1~5」「要支援1、2」です(数字が大きいほうが介護度が重い)。

介護保険サービスを使うにあたらないとされる「非該当(自立)」の認定を受けた場合は、介護保険サービスを使うことはできません。

ただし、地域ですべての高齢者のために行っている「地域支援事業」を利用することができます。

地域支援事業は今の段階ではまだ豊富に事業があるとはいえない地域も多いですが、非常に安価に高齢者向けの体操その他、健康に役立つ事業が展開されています。

回覧板などに掲載されている場合も多いので、確かめてみてください。役所の高齢者担当の部署でも把握しているでしょう。


厚生労働省「要介護認定の仕組みと手順」



介護の計画(ケアプラン)を作って、どんな介護保険サービスを利用するか決める


要介護・要支援認定を受けた人については、要支援の場合は地域包括支援センターが、要介護の場合は、近くの居宅介護支援事業所というところにいるケアマネージャーが、それぞれの人にふさわしい介護のプランを作ってくれます。


このプランは、ある程度の介護の知識があり、地域の事業所のことを知っていれば、自分や家族が作ることもできます。

しかし、自分でプランを作って、事業所も選ぶのは多くの場合、なかなか難しいでしょう。

やはり専門職であるケアマネージャーにお願いしたほうが早いかもしれません。


ケアマネージャーは地域にたくさんいます。できるだけ親御さん本人や、家族の意向を汲んでくれる人、信頼できる人を選びたいですね。

役所や地域包括支援センターにはケアプランをつくれる事業所の一覧が用意されていますし、近所の人の口コミなどもとても参考になります。

信頼できるご近所の方に聞いてみるのもいいでしょう。


実際にお願いしてみて、「どうもあのケアマネージャーさんと相性が……」と思ったら、途中で変更するのもかまわないのです。

多少の気遣いは必要ですが、なにしろ、「自分で選び取る」のが介護保険サービスです。あまり重く考えずに、お願いしてもよいでしょう。




介護保険利用時の自己負担金は1~3割。食事代などは実費


利用に際しては、無料ではありません。自己負担金が必要です。

多くの場合は1割負担で、たとえば訪問介護の利用だとすれば、1回数百円となります(サービスの時間、内容、要介護度によって変わる)。

ただ、ある程度の所得のある65歳以上の人は、2割負担、3割負担の場合もあります。

自治体の役所の高齢者関連の部署に尋ねてみるといいでしょう。


また、ひと月に利用できるサービスの時間数などが決まっています。

それを超えると、全額負担、つまり1割だとすると10割、10倍になるので注意が必要です。

また、昼食やおやつの時間をはさむデイサービスの利用や、グループホーム・有料老人ホームなどの入居施設は、食事代や一部のレクリエーション代が自己負担になります。

ケアプランを作る際に、ケアマネージャーと予算のこともよく話し、無理がないようにしたいですね。




契約の前に、まずは施設を見学して介護サービスを実感する


要介護認定が下りた、さあ使いたいと思っても、親が「そんなものは使わない、自分でなんでもできる!」と拒否する場合も少なくありません。

特に女性の場合は、家にだれかが入ってきて家事をするなんて、受け入れられない、訪問介護なんかいやだ、と思う方が多いようです。

また、男性などは「デイサービスで折り紙なんて絶対しない!」などと言う方も。

そういうところばかりではないのですが、拒否感が強いときは、無理矢理家族が決めてしまうようなことはやめましょう。

なにしろ、「自分で利用を決める」のが介護保険サービスの理念です。


そうはいっても、病気やケガで、日常生活を送るのが大変な場合、本人も不自由で困っているはずです。

けれど、新しいことを始めるのは不安があるし、他人の世話になるということにもなじめない…。

それより前に、そもそも介護保険サービスがどういうものなのかもはっきりとわかっていないことが多いと思います。

ご家族だって同じでしょう。


そこで、ケアプランを作ってくれるケアマネージャーや地域包括支援センターなどに介護保険のあらましを説明してもらいながら、デイサービスや入居施設などはご本人に合いそうなところを選んでもらい、一度親子で見学に行くとよいのではないでしょうか。


「遠く離れた場所に住んでいるから、親の住んでいる地域の介護施設を気軽に見学するのは難しい」、という方も多いと思います。

それなら、地域包括支援センターやケアマネージャーに電話などで相談しながら、施設の情報を入手し、見学の日程を決めた上で、見学の日だけ実家に戻る、というように効率的に動きましょう。

親御さんが住んで居る地域の施設の情報は、インターネットなどでも入手できます。電話やメールも使って話をすすめていけば、負担感もだいぶ少なくなるでしょう。


介護保険サービスについては、意外に細かい決まり事も多く、最初から全部把握するのは難しいのが実態です。

ですが、実際に見学したり、使ってみると実感がわく部分も多いので、親子で実際に見て、触れて、話し合って、少しずつ学びながら、納得感を持って利用していくといいですね。





介護が気になったら活用したい便利なサービス


「介護」が身近にせまってきたとしても、多くの高齢の方は

「今までの暮らしを変えたくない。家族に迷惑をかけず自分も気を使わず、なるべく自宅で生活したい」と考えています。

できるだけ長くその思いを叶えられるよう、便利なサービスを活用してはいかがでしょうか。


 

<見守りサービス>


見守りサービスは、離れた場所から様子を見守り、何かあればすぐに対処できるようにするサービス。

長時間動きがない場合は異常として検知しメールで通知したり、カメラを設置してリアルタイムで映像を写したり。様子を見るために、実際に人が駆け付けてくれるサービスもあります。


 

クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン (ヤマト運輸株式会社)

使用電球を「ハローライト電球」に交換するだけでできる見守りサービス

トイレや廊下などで毎日使用する電球を、専用の見守り用の電球に変えるだけでOK。


前日9:00〜当日8:59の間に、電球のON/OFFが確認できない場合は異常として検知。

当日朝9:00〜10:00の間に、事前設定した通知先へメールでお知らせします。通知先からの依頼があれば、ヤマト運輸のスタッフが代わりに訪問。


Wi-Fi・工事・コンセントもすべて必要なく、最初にヤマト運輸のスタッフが専用電球の設置を行うだけ。手軽に始められる低額の見守りサービスです。


<利用料>

・月々1,078円(消費税込) 初期費用0円、専用の電球代は無料。

*全国が対象ですが、一部サービス提供不可エリアがあります。

*2023年5月30日時点の料金。料金は変わる場合があります。


 

みまもりCUBE (株式会社ラムロック)

実家の様子をスマホで確認。SIMカード内蔵で、コンセントにさすだけですぐに使える

親の自宅の居間など、設置したい場所のコンセントにさすだけで設置完了。


部屋の様子を映像でリアルタイム配信します。

家族はスマホやPCからいつでも映像を確認でき、何人でも、どこらでも閲覧可能。

映像を見ながら、簡易的に双方向で会話をすることもできます。


「家にいる?」「食事はとった?」など、ちょっとした心配をすぐ確認できます。


<利用料>

・1年プラン 月々5,940円(消費税込)

*30日間のお試しキャンペーンがあり、期間中は3,190円/月。

*2023年5月30日時点の料金。料金は変わる場合があります。



 

<毎日の食事を支援するサービス>


食生活は、健康寿命に直結します。

食事を抜いたり、バランスが著しく偏っているなら要注意。

高齢になると、高血圧や糖尿病、腎臓病などの持病を抱える方が増えますが、塩分やカロリーを計算しての調理や食事は大変。

持病のある方向けのミールキットやお弁当なら、調理や食材購入の負担を軽減してくれます。


 

制限食料理キット (ウェルネスダイニング株式会社)

食材・調味料などがセットになった 制限食を作れるミールキット

フライパンと油があれば、誰でも手軽に15分で調理完了。管理栄養士監修が監修した、制限食の料理キットです。


カット済みの食材と調味料やたれがついているので、簡単レシピを見ながらラクに調理できます。

持病のある方や、料理が不慣れな方でも安心。

冷凍で届き保存できるので、無理に毎日食べる必要もなく、予定に合わせて無駄なく食べられます。


<料金例>

塩分制限料理キット(1人前7食セット)

7食で5,184円(消費税込)

*2023年5月30日時点の料金。料金は変わる場合があります。


 

健康うちごはん (メディカルフードサービス株式会社)

ヘルシー弁当、高血圧・糖尿病の方向けの弁当など、充実ラインナップの宅配食

冷凍庫で保存できるお弁当は、食べたいときにレンジで温めればOK。手軽で助かります。

医療介護食専門メーカーが作るヘルシーな宅配食。


バランスのとれた健康的な弁当のほかに、糖尿病・腎臓病・心臓病や、高血圧・肥満など、体の状態にあわせたコースが多数用意されています。


<料金例>

・バランス健康食お試しセット(6食セット)

6食で4,881円(消費税込)

*2023年5月30日時点の料金。料金は変わる場合があります。


 

<老人ホーム情報>


今後、介護が必要になったらどこで暮らす? 同居する? 介護施設?

…誰もが悩むポイントです。

ですが、選択肢の一つとなる「老人ホームや介護施設」について、どんな場所なのか、いくらかかるのかなど、詳しく知っている方は少ないでしょう。


時間や気持ちの余裕があるうちに、地域にどんな施設があるのかや費用の相場観をつかんでおくと、いざ判断が必要になった時、あせらずに賢い選択ができます。

今の暮らしをいつまで続けられるか冷静に判断するためにも、老人ホーム検索サイトなどで早めに情報収集をしておくといいですね。


●全国の老人ホームを検索できるLIFULL HOME'Sの介護施設情報サイト

→ 日本最大級の介護施設検索サイト『LIFULL 介護』



 


母親・父親の介護予防にプレゼントやメッセージを


親が長く元気に暮らせて健康寿命が延びると、家族が介護をする期間も減ります。

そのためには、楽しみや張り合いのある生活が重要です。


親にとって、子供や孫とのコミュニケーションは大きな楽しみ。

単調になりがちな日々の刺激にもなります。

誕生日や、母の日・父の日にプレゼントを贈ったり、日頃の感謝をまめに言葉にして伝えることは、介護予防の観点からもおすすめです。


Oyaimaでは、年配の方向けのプレゼントの選び方やおすすめ商品をご紹介しています。

親や祖父母を気遣うあなたのその気持ちを、ぜひ、ギフトという形で届けてみませんか。


→ 相手や目的に合わせてプレゼントを探す




bottom of page